| 歯科大学を卒業して間もないころ、私が祖母の入れ歯を作ることになりました。祖母の役に立てることが嬉しくて、歯科医になった喜びを実感しながら一生懸命保険入れ歯を作ったのを覚えています。
その後祖母の体調が悪くなり、食事もとれず急激に弱ってしまいました。原因が分からなくて、家族そろって試行錯誤を続けましたが、症状がよくなることはありませんでした。年も年でしたし、こうして老齢を迎えていくものなのかなと思いかけたその時、ふと思いついたんです。
私が作った入れ歯が原因ではないか?と。
ダメでもともとだと、当時、未熟ながら私が持っていた知識と技術の全てを総動員して入れ歯を調整しました…が、やっぱり祖母の体は悪くなる一方。一時は危険な状態にまでなってしまいました。やはり入れ歯が原因なんてこと、あるはずないか…と諦めかけた時、歯科医である父が祖母の入れ歯を一から作り直してくれました。すると、祖母の体調が回復し、顔色がよくなり口数も増え、食事ができるようになって体も持ち直しました。
その時に、口と全身は深く関係しているのだと実感したのです。そう、言い換えると、我々歯科医師は間接的に人を殺す事も出来るのです。
そこから入れ歯の猛勉強が始まり、「カワラダデンチャーシステム」という、入れ歯作りの最高の技術と出会うことになったのです。
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